器を蘇らせる、漆の繕い
「金継ぎセット(消仕上げ法)」
箕輪漆行
陶器類の割れや欠損を漆で接着補修し
上から金粉を蒔いて仕上げる金継ぎの工程をセットにしました。
2021年おもてなしセレクション金賞受賞
初心者にもやさしい説明書付き(全12ページ)
【消仕上げ法】
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磨かずに仕上げるのでやや黒っぽくなり、艶が消えた仕上がりになります。
金粉は「金消粉」を使用します。 |
※金継にはグレード順に、消仕上げ<平磨き<研出、があります
【セット内容】
金継ぎ用生漆×15g、練弁柄漆×15g、ガムテンピン油×100cc、面相筆(小)×1、あしらい毛棒(小)×1、純金消粉(上色)×0.1g、練習用代用金粉×10g、プラペラ×30mm、真綿×1袋、小皿×1枚、ゴム手袋×1双、砥の粉×50g、耐水ペーパー#600×10cm
※金粉0.1gでは2mm幅を10cm〜20cmひけます。
◎平磨き法と消仕上げ法の違い
1、使用する金粉が違います。
平磨き法は金平極粉を使用し、消仕上げ法では金消粉を使用します。
2、工程が違います。
平磨き法の場合は金粉の上に塗った漆を磨いて仕上げますが
消仕上げ法では金粉の上に塗った漆を磨かずに仕上げます。
3、仕上がりが違います。
平磨き法の金の色合いは金属的な質感になり艶が出て仕上がります。
消仕上げ法の金の色合いは磨かずに仕上げるのでやや黒っぽくなり、艶が消えた仕上がりになります。
消仕上げ法では消粉を使うので磨こうとすると研ぎやぶってしまい研げません。
消仕上げ法と比べて平磨き法は磨いて仕上げるので密着性が強いです。
〜漆とは〜
漆は古来より日本人の生活の中に様々な形で利用されてきました。縄文時代の遺跡からも漆器が発掘されています。また漆の木そのものも縄文時代より各地で出土しています。このことから漆は日本国内にもともと自生していたと考えられています。
語源が「麗し(うるわし)」とも「潤し(うるおし)」とも言われる漆は木の中で唯一「きへん」ではなく「さんずい」で表されています。15年程度かけて育てた木から、わずか牛乳瓶1本分ほどしか取れない漆の樹液に対する日本人の想いを伺い知る事ができます。 また、漆器の事を英語では小文字の「japan」を使って表します。漆器とは日本を代表するもの、日本独自のものであると世界が認識しているということです。
漆の用途
・塗料
一度乾いてしまえば漆を溶かす溶剤はないと言われるほど丈夫な塗料になります。またその神秘的な光沢と格調高い色合いは年月と共に更に深みを増していき、非常に文化的価値の高い建造物や漆器が今でも数多く残っています。
・接着剤
乾燥すると簡単に剥がれる事はない漆。小麦粉と漆を練り合わせ、割れた磁器を接着する技術である”金継ぎ”は、江戸時代から今にかけて受け継がれる日本の伝統技法です。またその美しさは工芸的価値を高めます。
漆が化学塗料より優れている点
・天然素材で安心安全、化学塗料のような悪臭もありません
・塗膜は抗菌・殺菌性があり衛生的です
・持続可能な資源で環境に優しいです
・薬品の耐性や、絶縁性が非常に高く、耐水性・防腐性にも優れています
・紫外線に長期間あたらなければ数千年保ちます
・金箔を貼ると色が自然で美しく仕上がります
・「漆塗装」の表示で、より高級グレードという好印象を与えます
漆の独特な三つの美感
・ふっくら感:表面張力が大きい
・深み感:屈折率が高い
・しっとり感:ゴム質が水分を保ち瑞々しい
■商品名…金継ぎセット(消仕上げ法)
■セット内容…金継ぎ用生漆×15g、練弁柄漆×15g、ガムテンピン油×100cc、面相筆(小)×1、あしらい毛棒(小)×1、純金消粉(上色)×0.1g、練習用代用金粉×10g、プラペラ×30mm、真綿×1袋、小皿×1枚、ゴム手袋×1双、砥の粉×50g、耐水ペーパー#600×10cm
■使用期限…1年程度
■保管方法…常温。日の当たらないところ。(できれば冷蔵)
箕輪漆行---福井県越前市朽飯町
漆の販売量日本一の箕輪漆行なら、漆や色漆はもちろん、木地から貝に至るまで、漆芸、漆行材料の全てが揃います。
私ども箕輪漆行は、日本の漆掻き職人発祥の地でもあるここ福井県今立町で、一人一人のお客様を何よりも大切にするという、商いの心を大切にしながら、漆一筋に歩んでまいりました。また、お客様に高いご満足をいただくことを商いの原点に、国内産の高品質漆はもとより、将来にわたって経済的で質の高い中国産漆を安定してお届けするため、生産の拠点となる中国へ数知れず足を運び、品質と供給の安定性をその目で確かめた上で、ご用命に100%の信頼でお応えできるよう心血を注いでおります。さらには、お客様から寄せられるあらゆるご要望にお応えできる企業となることを誓い、漆精製のみならず漆工芸に必要な道具・資材・設備に至るまで、さまざまな商品を扱わせていただいております。いま、化学素材による環境汚染が叫ばれる中、大自然からの恵である「漆」は、美しさと人や地球への優しさを兼ね供えた素材として、新たな注目を集めています。私どもはこれからも、企業体質の改善に心掛けることはもちろん、お客様の立場にたち、新しい漆の用途の可能性を追求するなど、常に価値の創造に挑戦しながら、社員が一丸となって精進を重ね、漆器・仏壇・建築塗装など業界や社会の発展に貢献してまいる覚悟でございます。何卒、今後とも変わらむぬご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。